桜が、まだ蕾だった頃。
図書館からの帰り道。
夕方って、まばたきする間にも、
時がこぼれてゆくな。
考えあう技術 (ちくま新書)
社会生活における自由
将来の社会の一員として必要な、基礎知識。それがないと、
「職業選択の自由」も実質的には保証されない。
社会や集団を営む能力。しかしそれは単に集団のルールに
従うことではない。自分たちでルールをつくって守ったり、
都合の悪いことがあれば、ルール変更の提案をして他者を
説得する、そういった能力が必要になる。
みずから人生を形づくりうる主体性。言い換えれば、「自分
なりの価値観」を育て、みずからそれを表現できる力。批判
的思考力や個性ということもここでは大切になってくる。
「考えあう技術」ー教育と社会を哲学するーより
苅谷 剛彦さんと西研さんの対談の本を読みました。
現在の日本の抱える、教育とその先にある社会の問題を
わかり易く説明していて、とても面白く読むことができました。
その場しのぎの対処ではなく、
もっと根本的に「人が育つとは」について語られています。
「個人」と「自己」の区分に関する考え方など
今の私ではきちんと理解できない部分もあり、
もう手遅れなのかしら・・・と、ちょっと悲しく(悔しく?)
思ったりもしましたが。
西さんの、「湾岸戦争をきっかけに近代思想を一から追体験して、
30代半ばで社会に対して自分なりの態度を取れるようになった」
という思想や経歴に触れて、
私も、これからでも、どんな風にも学んでいけるんだ、と、
少しホッとしました。
主に「教育」について書かれていますが、
読んでいたのが選挙戦の期間と重なったこともあり
自分のこととして読むことができました。
子供のいる人や、教育にかかわる人だけでなく、
「自分は社会の一員なのだ」と思える全ての人に
おススメしたい本です。